これまでの学会のあゆみ
日本脊椎脊髄病学会の発足から現在に至るまでの歴史を、
年表でご紹介します。
日本脊椎脊髄病学会の名称変更の経緯
1974年に脊椎外科研究会が岩原寅猪先生、津山直一先生、服部奨先生、井上駿一先生、小野啓郎先生のご尽力で発足することとなり、事務局は慶応大学平林冽先生が担当された。1985年には日本脊椎外科研究会、そして1990年には日本脊椎外科学会と名称が変更された。
整形外科サブスペシアリティである脊椎外科は脳神経外科の脊髄外科との境界領域となり、日本脊椎外科学会と日本脊髄外科学会の併存は外部にも混乱を招くようになった。日本脊椎外科学会理事会で議論を重ね、2001年に私が学会長を担当した第30回学会から学会名を日本脊椎脊髄病学会に変更することとなった。学会名変更の根拠は脳神経外科との競合というよりも脊椎脊髄疾患への取り組み方にあると考えられた。脊椎・脊髄は構造的・機能的に切り離すことの出来ない一つのユニットであり、脊椎脊髄病学としてのアイデンティティを確立し、手術的のみならず保存的にも治療し更には予防的健康管理も図らねばならない。脊椎脊髄病学会の取り組み方を学会員のみならず他学会や国民にも示した意義深い前進であったと思われる。
学会名変更の機会に学会組織の充実が図られ、理事長制が導入され、教育研究、指導医制度、手術成績向上対策、学術プロジェクト、国際交流の各委員会が立ち上げられた。国際交流にはNorth American Spine Society, Asia Pacific Spine Sectionとの学術交流が深まってきた。脊椎諸学会機関誌がJournal of Spine Research として統合されることとなった。日本脊椎脊髄病学会が国民の運動器の健康向上に益々貢献出来ることに期待したいものである。
日本脊椎脊髄病学会名誉会員 山本博司





